【シーパラこども海育塾とは】

小学生を対象に、海とふれあい、海とともに成長していく「海育」をテーマにした体験授業を実施します。海に関してさまざまな面から学び、生きものへの関心はもちろん地球環境にも目を向けるプログラムで、命の大切さや次世代を生き抜くライフスタイルや行動を身に付けることを目的としています。2017年度は6月から毎月1回、計10回の授業をこどもたちが体験します。

第9回 ショートレーナーに挑戦!/海育塾体験発表会の準備

【レクチャー「ショートレーナーになるためには」】

第9回のプログラムは横浜・八景島シーパラダイスで行われました。講師は横浜・八景島シーパラダイス アクアリゾーツ 飼育技師の大澤亮さんです。
「私はアクアミュージアム・ふれあいラグーンの全ての動物に関わって14年目になります。みなさんのなかに水族館で働きたい人、またはショートレーナーになりたい人はいますか?」大澤さんの話が始まりました。

トレーナーになるためには、飼育係の仕事をマスターすることから始まります。飼育業務の基本は、3つの「じ」(掃除(そうじ)・調餌(ちょうじ)・給餌(きゅうじ))です。
調餌は生きものたちのエサを用意することです。個体ごとにエサの重さや種類が異なるオーダーメイドです。たとえば赤ちゃんのカマイルカには消化しやすいようにアジを三枚におろします。脱水傾向のあるイルカは、ゼリーを食べさせて水分補給を行います。そのためエサの魚以外にゼリーも用意します。
給餌はエサを与えることです。エサを与えるだけではなく、動物の健康状態の確認や大切なコミュニケーションの時間でもあります。

他にも生きものの個体識別(同じ種類の動物を個体ごとに区別する)をできるようにすることも重要です。背びれの形や体の模様のわずかな違いなどを区別して、それぞれの個体を覚えていきます。また、健康管理も行います。このように動物のあらゆることを知識として身につけてから、はじめてトレーナーになれるのです。

次にトレーニングの方法について説明しましょう。好きな物やエサなどを使って、行動をほめながら繰り返して教えていきます。最初に「ホイッスルがなるとエサをもらえる」ということを覚えさせます。また親子イルカの場合、親イルカのジャンプを子イルカがみて、子イルカは親イルカのまねをしてジャンプを自然に出来るようになることもあります。それから、イルカに一度にたくさんのことは教えない。一つ出来たらほめる。変化をつけることでイルカが楽しくなるようにトレーニングをする。イルカにとってトレーニングが楽しかったと思えるようにするなど、細かな気配りがたくさんあります。」
 
「最後に、私が一番大切に思っていることは生命の大切さです。せまい水族館に閉じ込められてかわいそうだという人もいますが、シーパラで生きている魚や動物たちには、常に楽しく幸せに過ごしてほしいと思っています。」
と、大澤さんの講義が終わると、
「さぁ、次はみなさんにトレーナーをやってもらいます!その前に少し練習をしましょう!手をさげて勢いよくあげてください!そうそう!いいですね。さぁ、ショープールへ出発しましょう!」
大澤さんの元気いい声が、教室に響きました。

[塾生の感想]

小学校5年生 はるとくん

「飼育員さんのエサやりは大変そう。ショートレーナーになってからも、イルカをトレーニングでちゃんと覚えさせるのに、時間がかかりそうだけど、それが出来るのがすごいなぁと思いました。」

小学校4年生 あおいくん

「お話を聞いて、動物のことをたくさん知らなければならないし、いろんなことを訓練するのでトレーナーは大変なんだなと思いました。」

 
 
 
 
 
 

【「アクアスタジアム」でショートレーナーに挑戦!】

目の前には大きなプールが見えてきました。ここがショープールです。わくわく、ドキドキしますね。
さっそくショートレーナーから説明がありました。
「これからみなさんがイルカに合図をだして、イルカさんにジャンプをしてもらいます。イルカさんが戻ってきたらごほうびのアジをあげてください!」
プールでは4頭のカマイルカ(リー・ポー・ケー・ラー)が、こっちを見ています。「かわいいー!」「早くジャンプが見たい!」と声があがります。
「エサのアジは、食べやすいように頭からポン!と投げてください!そして、大切なのはみなさんが楽しみながらやることです!」とアドバイスがありました。

4人ずつ並んで、いよいよショートレーナーに挑戦です!!ジャンプの合図を勢いよく出すと、合図を待ち構えていた4頭のイルカたちが勢いよくプールの中央に向かって泳いでいきます。そして、ジャーンプ!移動してさらにまた大きなジャンプ!4頭の動きもそろっていてお見事です。

「戻ってきたイルカたちに、ごほうびのアジをあげましょう!」
イルカは大きな口を開けてパクリとアジを頭から飲込みました。
初めてのトレーナー体験に、大喜びのみなさんでした!

[塾生の感想]

小学校2年生 まほさん

「ごぼうびのおさかなを、頭から投げることができるか不安だったけれど、上手にできてうれしかったです。」

小学校5年生 りゅうじろうくん

「エサやりは初めてやりました。イルカにエサをあげた時に歯がいっぱい見えました。ショートレーナーってすごい。水族館の飼育員になるのが夢だけど、今日やってみてトレーナーもいいなと思いました。」

小学校3年生 あいこさん

「イルカに合図をだしたのがおもしろかった。海育の最初のほうの授業でアシカにエサやりをしたから今日で2回目!すごく楽しかった!たぶんじょうずに出来たと思う。」

小学校3年生 けんたくん

「あんなにひろいショープールでやるのは初めてでした。めったに見ることができない、エサの食べ方を見ることが出来て楽しかった。イルカのラーは勢いよく飛んでくれました!」

小学校5年生 あすかさん

「ショートレーナーになるのが夢なので、今日はとても楽しみにしてきました。一番聞きたかった“トレーナーになる方法”を授業で聞けてすごくうれしかったです。実際にエサやりもやってみて、あれを毎日できるならやっぱりトレーナーになってみたいです!!泳ぎも習っているし、あとは海に関する知識を深めることを続けていきたいと思います。」

 
 
 
 
 
 
 
 

【海育塾体験発表会の準備】

来月の最終回の授業は、海育塾体験発表会です。「今日はそのための準備をします。皆さんが書いてきた作文をもとに、絵を書いてもらいます。海育塾を通して経験したいろいろなこと、みなさんが感じたことを絵で表現してください!」とお話がありました。
しんかい6500、アマモの様子、ワカメの植え付け、イルカがジャンプしている姿など、みなさん真剣な表情で夢中になって書き始めています。それぞれに工夫が見られ、個性的な素晴らしい作品が生まれていきます。たくさんの思い出が画用紙からあふれそうですね。次回はいよいよ最終回。みなさんの発表が楽しみですね。

[塾生の感想]

小学校3年生 げんとくん

「テーマは『海を守る』です。海の色や波をあらわすのにグラーデションにしたくていろいろなブルーの折り紙をもってきました。これを細かくちぎって、はっていこうと思っています。」

小学校5年生 としかずくん

「絵を描くのは好きです。しんかい6500が好きなのでテーマに選びました。それと、アマモを選んだのは今までの授業のなかで一番心に残ったからです。」

小学校6年生 みずきくん

「たくさん撮った写真の中から選んで、ピコちゃんの正面の顔とワカメの植え付け、アミメハギを書きました。ゴマフアザラシのツバキちゃんも書きたかったけど難しくて断念しちゃいました。」

小学校4年生 さやかさん

「お魚も好きだし、もともと深海に興味がありました。おうちで下書きを書いてきました。青の画用紙に深海の様子を表現しています。ダイオウイカにラインストーンをつけてみました!」

 
 
 
 
 
 
 
 

講師からメッセージ

 

横浜・八景島シーパラダイス アクアリゾーツ 飼育技師 大澤 亮

ショートレーナーはショーを行う以外にもたくさんのお仕事があります。今回はトレーニングについて、専門的なお話を子供たちが理解できるようにかみくだいて伝えるように心掛けました。まずは、生きものを大切にすること、命を大切にすることを覚えて欲しいです。私たちは水族館という環境のなかで、どうやったら自然に近い状態で生きものたちが快適に過ごせるかを常に考えています。そういうことが今日の授業で少しでも伝わっていれば嬉しいです。