【シーパラこども海育塾とは】

小学生を対象に、海とふれあい、海とともに成長していく「海育」をテーマにした体験授業を実施します。海に関してさまざまな面から学び、生きものへの関心はもちろん地球環境にも目を向けるプログラムで、命の大切さや次世代を生き抜くライフスタイルや行動を身に付けることを目的としています。2017年度は6月から毎月1回、計10回の授業をこどもたちが体験します。

第7回 野生動物を守るしごとについて/ワカメ植え付け体験/海のバーベキューパーティ

【野生動物を守るしごとについて】

12月9日、横浜・八景島シーパラダイスで第7回目の海育塾が行われました。まず始めに水族館の獣医の仕事について、シーパラの獣医師の大津大先生の講義が行われました。
横浜・八景島シーパラダイスでは3名の獣医師が700種12万匹の魚・イルカなどの生物の健康管理を行っているそうです。さらに獣医師がいない水族館へ往診に行くこともあるそうです。
大津先生は「獣医の主な仕事は、人間のお医者さんと一緒で、健康管理・体重測定・血液検査・予防接種などをトレーナーと連携して行っています。例えば、イルカ・アシカ・セイウチなどの体が大きい動物をみる時は、獣医と動物の両方が安全に行うために、普段から動物と接し、動物の性格をよく知っている飼育のスタッフと連携して行います。」
と仕事内容について教えていただきました。
また「時にはシーパラ以外の生物を助ける仕事もあります」と、大津先生の話しが続きました。「たとえば浜辺に打ち上げられたクジラが海に戻れなくなった場合や、群からはぐれて迷子になったスナメリを助ける場合や、ケガをした野生動物が発見されたときシーパラにSOSの要請が入ります。時には人間に傷つけられケガをしたイルカを保護して治療したこともあります。」塾生からは思わず「かわいそう」「ひどい!」と声があがりました。
「そうですね。とてもかわいそうですね。」
「この時は船のスクリューに巻き込まれて尾びれがとれてしまっていました。保護して治療しましたが、残念ながら100日で死んでしまいました。」
次に首にビニールが絡まった鳥や、お腹に飲み物の容器が詰まった魚の映像を見ました。目をおおいたくなるような残酷な映像です。「どうしてこんなことになってしまうのでしょうか。ゴミは風に飛ばされ川に入り海に流れ着きます。動物たちにはゴミを食べ物やおもちゃだと思い、食べてしまったり、遊んでいるうちに体に絡まってしまったりしまうのです。」
大津先生の話しはさらに続きました。
「こういう悲しい話を皆さんに伝えることも、獣医の仕事です。ゴミを落としたら海の生物が苦しむことを、みなさんに分かってほしいですね。ゴミはゴミ箱に捨ててください。そして学校のお友達にもこのことをつたえてくださいね。」
一つのゴミ、それは生きものたちの命をうばう恐ろしい凶器だったのです!
そのことを学んだ塾生たちは真剣な表情で話しを聞いていました。

[塾生の感想]

小学校6年生 めいさん

「人が捨てたゴミを食べてお魚が死んでしまってかわいそうだと思いました。だから、お魚のためにゴミを捨てないようにしないといけないことがよくわかりました。」

小学校4年生 あおいくん

「人間がもっと動物のことを考えて、ゴミを捨てたりしないようにしないといけないと思いました。」

 
 
 
 

【ワカメ植え付け体験】

次はワカメの植え付け体験です。「うみファーム」で待っていてくれたのは、シーパラの飼育員の西川さんです。
「これからワカメの植え付けをします。二酸化炭素を吸収して地球温暖化を止める役割を果たしているのが、アマモ(海草)などの海草です。みなさんがこれまでに勉強してきたブルーカーボンです。今回植えるワカメもその海藻の仲間です。」と、話しがありました。
植え付け方法は、用意されたロープに3cm前後の小さなワカメの種をつけた糸を巻き付けます。そのロープをみんなで海に沈めます。3か月後には2メートルくらいまで大きく育つそうです。
3月の最後の海育塾の活動で、育ったワカメを収穫し、みなさんで実際に食べてみます。今は小さなワカメが、自分たちの身長より大きく育つなんて・・・すごいなあ!収穫がとっても楽しみですね!

[塾生の感想]

小学校2年生 まほさん

「先生の説明を聞いてやってみたけど、ワカメの種は、くきがかたくてロープに結ぶのが結構難しかったです。種の他の部分はさわるとぐにゃっとしていていました。」

小学校4年生 けんとくん

「初めてやってみました。むずかしかったです。この小さいワカメがどれくらい大きくなるかとても楽しみです。」

小学校4年生 さやかさん

「ワカメの長さは思ったよりも短くて、3~4㎝くらいだったのでロープに巻き付けるのがむずかしかったです。3月にどれくらい大きくなるのか楽しみです!」

 
 
 
 
 
 

【海のバーベキューパーティ】

今年最後の海育塾は、バーベキューパーティが企画されていました。会場は「うみファーム」の目の前にある「海のバーベキュー焼屋」です。これまでお世話になった講師の皆様もお招きしています。そこには台風で中止になった第5回の講師、横浜市漁業協同組合の斎田芳之先生の姿もありました!

おや、サンタクロースとトナカイが突然あらわれましたよ!
何が始まるのでしょうか・・・・・・・?
どうやら斎田先生によるサプライズのようです!!!
みんな大喜びで「アナゴクイズ」に挑戦です。
ホタテウミヘビ、ヌタウナギ、アナゴが入っている水槽から、アナゴはどれかを選びます。
さすがに海の生きものに関心が高い塾生のみなさんですね!多くの正解者がでました。
次は、アナゴつり競争「アナゴ、穴へゴー!」です。
プールの中にいる50匹のアナゴを5チームに分かれて釣ります。釣りと言っても釣り針で釣るのではありません。アナゴは穴の中や、暗くて狭いところが大好きです。その習性を利用して長さ50cmほどの筒をプールに入れると、筒の中にアナゴが入ってきます。アナゴが中に入ったら筒を釣り上げます。斎田先生が行っているアナゴ筒漁も、この習性を利用しています。釣れたアナゴの尾数がチームの得点になります。
さあ、アナゴ釣りに挑戦です。先生から、アナゴは体を寄せ合って過ごす習性があると教えてもらいました。アナゴ釣りの筒には数尾のアナゴが入っていました。
初めてのアナゴ釣り体験は、忘れられない楽しい体験でした。

斎田先生が行っているアナゴ漁の筒は、小さい子供のアナゴが筒の中に入ってしまっても逃げられるように穴があいています。そうしてアナゴとりすぎないようにして、永続的なアナゴ筒漁を目指しています。すばらしい取組みですね!
斎田先生、ありがとうございました。

続いて、海育塾運営スタッフが扮したサンタクロースとトナカイによるジャスチャーゲームです!
「生きものが○○○している」といったお題をサンタクロースとトナカイがジャスチャーで演じ、何をしているところなのか?をみんなが当てます。
サンタクロースとトナカイのジェスチャーがとてもおかしくて、みんなはおなかがよじれる程笑いました。
最後には、得点が高いチームから、プレゼントを選びにいきました。全員プレゼントをもらいましたよ。みんなは何が入っているのかと袋をのぞきこんでは、お家の方に見せていました。みんな、大満足です。

いよいよ今年の授業はこれでおしまいですが、来年には残り3回の授業があります。どうぞお楽しみに!塾生のみなさん、来年も元気に楽しく海のことをいっしょに勉強しましょうね!

[塾生の感想]

小学校2年生 ねねさん

「楽しかったけれど、アナゴがとれなかったのが残念!一度すーっと入ってきたんですが、すーっとぬけていってしまったんです。もう一度挑戦したいな。」

小学校4年生 くおんくん

「ジェスチャーゲームは面白かったけど、全然当たらなかった。難しかったです。4位でした。プレゼントはタオルをいただきました。」

小学校5年生 としかずくん

「アナゴが沢山いるところに置いたんですが全然とれなかった。アナゴは他のことに夢中みたいで穴の中に入ってこなかったです。もう一度やってみたいです。」

小学校6年生 いっせいくん

「一匹つれましたが、筒を置く方向をアナゴが沢山いるところに置けばもっと取れた
と思います。筒の中にアナゴがゆっくり入ってきた感触がありました。暴れている様子はありませんでした。もう一回やってみたいです。」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

講師からメッセージ

 

横浜・八景島シーパラダイス 学芸員 西川 弥緒

ワカメを12月上旬に植え付けて3月に収穫するのは、漁師さんの方法と同じです。透明度が高い冬の海は日光が届きやすくワカメの生長が早いのです。自然の海を使って、自分達で植え付けたワカメが育つことは、今まで勉強してきたブルーカーボンを実際に体験するいい機会だと思います。3ケ月後のワカメの生長を楽しみにしていてください。

 

横浜・八景島シーパラダイス 獣医師 大津 大

野生動物を守るための獣医の仕事を知ってもらうと同時に、ゴミによって自然界の生きものを知らず知らずに傷つけていることを理解してもらい、一人ひとりが意識を高めてもらえればと思います。人間はこれまで自分たちの住みやすい環境づくりに取り組んできましたが、これからは動物たちが住みやすい環境づくりに努力すべきで、海育の塾生のみなさんがそういうことをしっかり学んでもらえることを期待しています。