【シーパラこども海育塾とは】

小学生を対象に、海とふれあい、海とともに成長していく「海育」をテーマとしたプログラムを提供します。海に関して様々な面から学び、生きものへの関心はもちろん地球環境にも目を向けるプログラムで、命の大切さを学び、次世代を生き抜くライフスタイルや行動を身に付けることを目的としています。2016年度は6月から毎月1回、計10回の開講予定です。

第8回 魚のふしぎ発見! 海と食卓をつなぐ研究所見学体験

中央水産研究所の仕事内容について

第8回のプログラムは国立研究開発法人 水産研究・教育機構 中央水産研究所で行われました。まず講師の業務推進課長、市橋秀樹先生に中央水産研究所ではどんなことを行っているかを紹介していただきました。
日本の排他的経済水域(200海里:約370㎞)は世界で6番目の広さです。この豊かな漁場を守るため、様々な研究をしているそうです。仕事の内容を大きく3つに分けると、第一は資源管理です。魚をとりすぎないように、魚たちの量や育ち具合を調査して、その時にとって良い水産物の量を決めます。第二は環境保全です。世界的に問題になっている地球温暖化に関する研究です。例えばサンゴの白化現象や南国の魚が日本近郊にいること、エチゼンクラゲの大量発生など、それらがどうして起こるのかなどを調べています。第三に増殖・養殖研究です。たとえばサケの卵を守って稚魚にして放流したり、マグロの稚魚をとっていけすで育てたりと、今日までにたくさんの成果をあげているそうです。

 
 

チリメンモンスターさがしを楽しもう!

さて次は、みなさんお楽しみのチリメンモンスターさがしです!チリメンモンスターとは、チリメンジャコ(カタクチイワシのしらす干し)にイワシに混じって入っている小さな生きもののことです。略してチリモンと呼ばれます。変わった形が多いのでこう呼ばれるようになりました。
机の上には、チリモンをはって標本にするチリモン発見用紙が置かれています。
さぁ、やってみましょう!
チリメンジャコが配られると、みんなはチリモンを探すのに無我夢中です。すごく小さなチリモンもあれば、一目でわかる大きいチリモンもあります。カマス、イカ、カニ、イカナゴなど数えきれないくらいたくさんのチリモンがあるそうです。タツノオトシゴは、レアキャラのためなかなか見つかりません。
「オキアミはエビに似ているけれど、エラがむき出しになっていますよ」と市橋先生。
「タコ発見!」
「あ、ここにもいた!」
見つけたチリモンは、チリモン図鑑で種類を調べて、チリモン発見用紙に名前を書いて貼りつけていきます。15種類見つけられるとゴールです。ゴールした塾生には、市橋先生から、特製の魚のキーホルダーがプレゼントされました。世界で一つだけの、自分だけのチリモン図鑑の完成です!

[塾生の感想]

小学校4年生 まなさん

「しらす干しに入っているイカとタコは見たことがあるけれど、こんなに種類があるなんて知らなかった。すごく楽しい!残りはおうちに持って帰ってもう一回探してみます!タツノオトシゴをみつけた人はいるのかな?」

小学校5年生 ももかさん

「この研究所は一般公開で来たことがあります。チリメンモンスターは前から知っていて大好きなんです。今日は楽しみにして来ました。」

小学校5年生 みきさん

「チリメンモンスターって何だろうって思っていたけど、すごく楽しい!夢中になっちゃう。ちりめんじゃこは、おやつでいつもお母さんが煎ってくれるものを食べているくらい大好きです。」

小学校6年生 はるとくん

「チリメンモンスターは大好きです。家ではしらす干しを買ってきて、自分で標本を作ってガラス瓶に入れて飾ってあります!たとえば、イカはイカで種類別にしてアルコール漬けにするんです。だから今日はすごく楽しみでした!貴重なタツノオトシゴがいなくて残念!」

 
 
 
 
 
 

研究所見学会/展示情報室の見学

研究所では2つの施設を見学しました。まず展示情報室。資源開発調査でとった魚のはく製が70点ほど展示されていました。見たことのない魚がたくさんいます。マゼランアイナメ(メロ)、メルルーサ、ホキといった白身魚は世界的に食用として人気が高まっているそうです。ウナギの標本もあります。このウナギはグアム島の付近で、成熟した状態で見つかったので、その辺りで産卵していることがわかったそうです。魚をとって研究することでいろいろなことが判明するのですね。食用では世界最大のイカも展示してありますが、イカは皮膚が薄いのではく製にはできません。プラスティックで作ったレプリカだそうですが、まるで本物のようです。
研究所が所有する漁業調査船の蒼(そう)鷹(よう)丸(まる)が発見した新種の貝には「soyos shell」(ソーヨーズ シェル)が名前の一部についています。素敵ですね。魚の耳石からは魚の年齢もわかります。魚の胃の中からみつかった耳石からは、その魚がどんな魚を食べたのかが分かるというお話には「へー!すごいな」と声があがりました。
ほかにも魚の食品サンプル、漁で使う網の模型、シーボルトが書いた日本動物誌の展示もあり、みなさん興味深々で見学していました。

 
 
 
 

研究所見学会/大型水槽実験室の見学

部屋に入ると大きな水槽がいくつもあり、魚が泳いでいます。先生から質問です。「人間には一日約1ℓのお水が必要ですが、30㎏の魚が生きるためには、どれくらいのお水が必要だと思いますか?」。少し難しい質問ですね。実は1トンでは足りないくらいの大量の水が必要なんです。魚が生きるためには水に溶けている酸素が不可欠だからです。この実験室では、たとえばそんな研究をしています。
大(マダイ・ブリ)中(ブリの子供)小(マミチョグ【北米産カダヤシ目】)の3つの水槽前で「これからみなさんに餌をあげてもらいます!」と先生がいうと、みんな「やったー!」と大興奮。魚の口の大きさに合わせてエサの大きさも違います。マミチョグは養殖が容易なので、研究には最適だそうです。
魚がどうやってエサを食べているか、透明な水槽では横から見えるようになっています。あげたエサをちゃんと食べてくれているかな?ワイワイ賑やかにエサをあげている塾生もいれば、じっとエサの行方をみつめている真剣な表情の塾生もいます。楽しい時間があっという間に過ぎていきました。

[塾生の感想]

小学校1年生 ななこさん

「今日は、お魚のエサやりが一番楽しかったです!」

小学校1年生 まさとくん

「全部の水槽のお魚にエサをやってみました。ブリの子供が一番食べていました!」

小学校4年生 さとしくん

「自分があげたエサを目の前でお魚が食べている姿を見たら可愛いいと思ったし、すごく楽しかった。」

小学校5年生 せいまくん

「ブリの子供はエサが沈んでから食べていて、大きいお魚はエサが浮かんできてから食べていました。」

 
 
 
 

講師からメッセージ

 

国立研究開発法人 水産研究・教育機構 中央水産研究所 業務推進課長 市橋秀樹先生

海育の塾生たちに海を好きになってもらい、水産物を好きになってもらいたいと思います。今日は積極的に色々な質問が出て、とても良かったと思います。海育塾を通して水産物の大切さを広めていただくことは、水産業の振興にもつながります。ただ与えられたものを食べるのではなく、地のものを食べることが重要で、日本の食や自給率の改善などを考えるきっかけになることを期待しています。