【シーパラこども海育塾とは】

小学生を対象に、海とふれあい、海とともに成長していく「海育」をテーマとしたプログラムを提供します。海に関して様々な面から学び、生きものへの関心はもちろん地球環境にも目を向けるプログラムで、命の大切さを学び、次世代を生き抜くライフスタイルや行動を身に付けることを目的としています。2016年度は6月から毎月1回、計10回の開講予定です。

(8月に開催予定だった第3回シーパラこども海育塾は天候不良のため中止となりました。)

第4回 アマモ場の生きもの観察 海のゆりかごづくりとこどもたち

アマモ場の生きもの観察/海の公園・砂浜

まず向かったのは横浜市金沢区の海の公園。ここはアマモが群生する貴重な場所です。講師は
横浜・八景島シーパラダイスの飼育技師・学芸員を務める野村俊介です。
前回の授業では、アマモが海の環境改善やブルーカーボンに役立つこと、海の生きものたちのお家になっているというお話を聞きました。今日の授業では、アマモ場に実際にどんな生きものたちがいるかを調べます。
野村が「どんな生きものがいると思いますか?」と聞くと「メジナ!」「ハゼ!」「タコもいるかも」と次々に声があがりました。アマモ場をひいて沖から帰ってきた網に駆け寄ってみると、「おーっ!大漁だーっ!」という大きな歓声が上がりました。

 
 

アミメハギ、メバル、アメフラシなどを観察する

どんな生きものがいたのでしょうか。ひき網から生きものを水槽に移して、野村が次々と説明しました。

 
 

「このお魚はアミメハギです。成長すると7cmくらいになります。アマモをくわえて寝る、かわいいお魚です。この細いのはヨウジウオです。楊枝のように細くて茶色です。アマモは枯れると茶色になるので、海の中でヨウジウオを見つけるのはなかなかむずかしいです。メバルもいますね、目が大きく張っているのでメバルという名前になりました。大きく成長するとアマモ場からは出て岩場や防波堤などに隠れ家を変えます。」
「お魚以外だと、アメフラシがいますね、アオサという海藻を食べます。ミズクラゲも30cmくらいまで成長します。白くて丸い形をしているのはシロボヤです。」
そこには、ざっと観察しただけでも10数種類の生きものがいました。
次に、アマモ場ではないところでひき網をひいてみました。
こちらには、生きものがほとんどいませんでした。
アマモ場とアマモのないところを比べてみると、生きものが育っていくうえで、アマモ場が役に立っていて、とても大切なことがよくわかりました。

 
 

[塾生の感想]

小学校4年生 さとしくん

「あみにいっぱい魚がかかって楽しかった。予想以上に大きな魚もいて驚きました。アマモ場ってすごいな。」

小学校4年生 けいとくん

「アマモ場が生きものの家であることが分かりました。クラゲは、固いのかなと思ったけれど、実際にさわったらフニャフニャしていました。」

海のゆりかごづくりとこどもたち

次に海の公園・管理センターへ移動して「海のゆりかごづくりとこどもたち」のレクチャーを受けます。講師は元横浜市立金沢小学校教諭の坂田邦江です。
「アマモ場は多くの海の生きものが赤ちゃんから成長する過程で重要な役割を果たし、「海のゆりかご」と呼ばれています。昔は、横浜の海にアマモ場はたくさんありましたが、時とともに減ってしまいました。なぜでしょう?」という問いに、「海を埋め立ててしまったから」という声が上がりました。「そうですね・・・。そこで海に命を呼び戻すために沢山の人たちが集まって、2003年から海の公園へのアマモの移植活動が始まりました。地元の小学校や地域の人たちが力を合わせて活動してきました。このように、一人ではできないことも、みんなでやれば実現できる、それを「協働」と言います。
今は、みんなの「協働」でアマモ場という海の森を取り戻しましたが、地球規模では大きな問題を抱えていますね。それは、どんな問題でしょうか?」という坂田の問いに、「地球温暖化です。」という答えが返ってきました。
すると、坂田から、
「そうですね。では、この問題に私たちに出来ることは何でしょうか?来年の海育塾の最終回では、皆さんがCO2削減に取り組んだチャレンジ行動を発表する、報告会を開催したいと思います。皆さんのくらしのなかで、友だちや家族やみんなと一緒にチャレンジしてみましょう!」
という提案がありました。

 
 
 

[塾生の感想]

小学校2年生 ゆうらさん

「海育塾にきて、地球温暖化のことを知りました。電気を使わず、ソーラーパネルを使えばいいと思います。」

小学校4年生 ひよのさん

「アマモ場が魚の住む場所になっていて、自然のために守り続けていく必要があると思いました。」

生きもののスケッチ

最後に、採集してきた生きものをスケッチしました。魚によって、からだのかたち・もよう・目の大きさ・口のかたち・ひれのかたちなどそれぞれ違いがあります。そういう違いを理解してから、書いてみましょうと野村からアドバイスがありました。

 
 

さあ、どの生きものを選ぼうかな。先ほど海からとってきた生きものをスタッフが網ですくって机の水槽に移し替えてくれました。正面から見たり、横から見たり、友だちと相談している塾生もいます。みんな楽しそうに鉛筆を走らせました。そして生きものの特徴をとらえた素晴らしいスケッチができあがりました。

 

[塾生の感想]

小学校4年生 まなさん

「メバルを書いたのは、目が可愛いからです。海岸にはまた行ってみたいです」

小学校2年生 ゆうらさん

「アメフラシには水色の点があるのに気がつきました。」

小学校6年生 はるとくん

「以前海でガザミを見たことがあり、かたちに特徴があるので書いてみようと思いました。ヨウジウオも書いてみたいです。」

 
 

講師からメッセージ

 

元横浜市立金沢小学校教諭 坂田邦江

海育塾をきっかけに、海の森にも陸の森にも人間の社会にも、たくさんの命があり“地球とともに進化してきた命には、ひとつひとつに存在の意味があり、無駄な命はひとつもない”ということに気づいて欲しいと思っています。今日はアマモ場の再生や“協働”のお話をしました。こどもたちが、明日の地球とともに生きる行動力のある人に、成長していってほしいと願っています。

 

横浜・八景島シーパラダイス 飼育技師・学芸員 野村 俊介

身近な横浜の海にも、小さくも色々な生きものたちがいることを知って欲しいと思いました。自然や生きものに接する機会が少なくなっているなかで、今日は多くの生きものを紹介でき、観察したり触れたりしてもらえました。皆さんの横浜の海の印象を変えることができたのではないかと思います。次は自分で生きものたちに会いに出かけていってもらえたら嬉しいです。