【シーパラこども海育塾とは】

小学生を対象に、海とふれあい、海とともに成長していく「海育」をテーマとしたプログラムを提供します。海に関して様々な面から学び、生きものへの関心はもちろん地球環境にも目を向けるプログラムで、命の大切さを学び、次世代を生き抜くライフスタイルや行動を身に付けることを目的としています。2016年度は6月から毎月1回、計10回の開講予定です。

第2回 豊かで安全な海をつくる 海と空の研究所探検ツアー

国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所

伺ったのは、横須賀市にある国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所です。ここでは港湾や空港の整備をはじめ沿岸や海洋に関する、世界最先端の研究を行っています。
講師は、温暖化に対するアマモの働きで世界的発見をされた桑江朝比呂先生です。「今日は海の生きものや植物がいかに役立っているかを知って欲しいと思います。また海の恵みとは別の側面である、津波のこわさについても学んでください。」というお話がありました。
さて、いよいよプログラムのスタート。今回体験・見学するのは大きく5つです。
①貝が海水をきれいにするようすを観察する 
②津波の力を観察する 
③海中ロボットを動かす 
④海草のはたらきを観察する 
⑤海の生きもの(貝、カニ、魚、鳥など)を観察する

 
 

貝が海水をきれいにするようすを観察する

海水と汚泥を加えた3つの水槽に貝を入れ、水の変化を調べます。1つ目の水槽はムラサキイガイ、2つ目はアサリ、3つ目は何も入れないという条件で実験を行います。「貝が海水をキレイにしているなら、濁った水がキレイになっていくはずですね。どっちの貝を入れた水槽のほうがよりきれいになると思いますか?」先生の問いかけに一斉に「アサリ!」という声があがりました。
約2時間後に戻ってみると、アサリの入った水槽がとてもきれいになっていました!ムラサキイガイも濁りが少し薄くなっていました。貝の力で海がきれいになることがよくわかりましたね。

[塾生の感想]

小学校 2 年生 しえんくん

「アサリが水をきれいにしてしまうのがすごいと思いました」

小学校4年生 ひよのさん

「ぜひ自分で実験したいと思いました。アサリの数が違うとどうなるか自分で実験してみます。」

 
 

津波の力を観察する

人工的に起こす津波を見学します。「大規模波動地盤総合水路」という、コンクリートの高い壁に挟まれた水路があり、真ん中の水中振動台を揺らして地震を起こし、造波装置で波を作り津波を再現します。2mの波が振動台にぶつかると、ザッバーン!と高く波が上がって、見学していた位置まで水がふりかかってきました。思わず、「ワアッ!」と驚きの声が上がりました。
所員の方から、東日本大震災の時の大きな津波は、今日の10倍の20mでしたという説明がありました。また、実験映像では、波の力でコンクリートに穴があいたり、家が流される場面などを鑑賞し、改めて津波のこわさを学びました。

[塾生の感想]

小学校4年生 れあんくん

「2mの津波でもすごい迫力なので、津波が発生したら高いところに逃げなければ危険だということが分かりました。」

小学校5年生 とわくん

「ものすごく高い波で、威力が想像以上だった。自然のこわさを知りました。」

 
 

海中ロボットを動かす

この海中ロボット水槽は、新しく開発されたロボットなどの実験を行うための大型造波水槽です。人間が水中で行うには難しい作業を、ロボットで行うための研究をしています。ここでは全員が、「ROV」という遠隔操作型ロボットの操作にチャレンジ!ゲームのコントローラーのようなレバーを使い、手元の画面で水中の映像を確認しながら動かしました。「お!うまく進んだ!」「あ、ケーブルが引っかかった!」と楽しみながら体験できました。

[塾生の感想]

小学校5年生 みきさん

「こういうロボットが水中で活躍していることを知り、勉強になりました。」

 
 

海草のはたらきを観察する

アマモは浅いところに生える海草(うみくさ)で、海にとけた二酸化炭素を吸収して酸素や炭素をつくっています。さらに炭素は、葉に保存され、葉が枯れると海底に沈みます。このように、海中に固定された炭素のことをブルーカーボンと呼びます。水槽をよく見ると、アマモに沢山のツブツブの泡がついていました。これが酸素です。光合成によって酸素がつくられている様子を観察することができました。先生がブルーカーボンについて質問すると、多くの手が挙がり、バッチリ回答!前回の勉強が身に付いていましたね。先生も感心していました。

 
 

海の生きもの(貝、カニ、魚、鳥など)を観察する

研究所では、干潟の研究もしています。双眼鏡でのぞくと「トウネン」という小さい鳥がいました。トウネンが干潟に与えている影響などを調べて3年目だそうです。タッチプールには、カニや二枚貝のシオフキなど干潟の生きものがいっぱいいました。みんな夢中になって手に取って、しっかり観察できましたね。

 
 

講師からメッセージ

 

国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所 
沿岸環境研究グループ長 桑江朝比呂さま

今日の体験で海の生きものの働きを知ってもらえたと思います。海でアマモを植える体験教室などにも参加して欲しいと思いますし、海でゴミを拾うことも生きものが育つ上で大切な行動です。
海育塾は全国的にも貴重な塾だと思いますので、今後も引き続き活動し、取り組みの広がりを期待しています。